そもそも気密って何?・・・家を隙間なく密閉した状態です。空気の密度と勘違いされる事も多いですが、目張りや、すき間を埋める手間をかけて作る事によって出来る快適な家づくりの基本です。
今までの家は、いわば「カゴのような家」で、空気の入れ替えは風まかせの住宅でした。強風が吹けば、室内で温めたり冷やしたりした空気もどんどん捨てるため、貴重なエネルギーの無駄遣いでした。10年以上前の家ともなると、強風の時、たいてい換気回数は1時間に2~3回。これはせっかく温めた(冷やした)空気を20~30分に一回まるまる捨てて、また温め(冷やし)直す…。といった効率の悪い事をしていました。
すき間の多い「カゴのような家」では、「空気もれ」と「すきま風」で必要な冷暖房のエネルギーまで捨てていました。そこで、家のすき間を全て埋め、ビンのような家(これが高気密住宅)を建てようという発想になりました。ビンのような家をつくった結果、計画換気をとりつけた際に、入口から出口へスムーズに新鮮空気が通る家になります。
気密の悪い家は、室内を温めるのに時間がかかり、すき間からどんどん逃げるので、24時間暖房をしたら大変な光熱費がかかる住宅でした。それは穴だらけのバケツにいくら水を入れても満杯にならないのと同じです。気密を高めた結果、室内の温めた空気が逃げないので、少しの暖房で24時間全館暖房ができる家になります。
きれいな空気、快適な湿度、丁度いい温度。すべてを実現するために、家の気密性能は命でありベースです。気密性能の悪い住宅は、いくら断熱に優れていようとも、高い換気システムをつけようとも、いい家とは言えません。そのくらい大切なものと考えています。
高気密は簡単につくれない
実際のところ、木造の住宅で気密性の高い住宅をつくるのは、非常に手間がかかります。あなたが「気密テストをしてください」と頼んだら、嫌がる業者さんもいる事でしょう。それでも私達は、良い家づくりにおいて「全棟気密テスト」が現時点のベストだと思っております。常にプロとして最高の家づくりを目指して、これからも勉強していきます。
Q:高気密住宅は息苦しいって聞いたけど大丈夫なの?
A:高気密とは『すき間がない』という事で、息苦しいと誤解されますが、そんな事はありません。仮に、狭い空間を密閉するなら話は別ですが、家のような大きな空間を密閉しても、酸欠になるには相当な時間がかかります。
しかも、住宅の場合は24時間計画換気の取付けが義務づけされています。新鮮空気を常に取り入れるために高気密にするので、『息苦しい』とは真逆の話です。